腹水について
腹水って何ですか?
腹腔に通常より水がたくさん
貯まった状態のこと
お腹にある臓器をつつむ膜を腹膜(ふくまく)といいます。
腹膜は、臓器と臓器の摩擦を少なくするために腹腔(ふくくう)とよばれるすきまをつくっています。
腹腔には通常20~50mLの水が入っていますが、さまざまな病気の影響で通常よりたくさん貯まった水、または状態を腹水といいます。
(図)腹水、腹膜、腹腔について

腹水はどうしてたまるのですか?
1.肝硬変などによる血液中の
アルブミンの低下
肝硬変などにより、アルブミン※1をつくる機能が低下します。血液中のアルブミンが少なくなると、血管の外に漏れ出た水分を血管内に戻すことができなくなり、腹水がたまります。
※1 血液中のタンパク質の一つに「アルブミン」があります。アルブミンは、血管中に水分を保ったり、水分を血管の中に引き込む働きをしています。
(図) アルブミンの低下により水分が血管の外に漏れ出る

2. 病気やがんなどによるもの
炎症性の病気やがんなどにより、血管から血液成分や水分がしみだしやすくなり、腹水がたまります。
(図) 胃がんなどにより血管から白血球や赤血球がしみだしやすくなる

3. その他の原因
その他にも、門脈※2圧の上昇など、さまざまな原因で腹水がたまります。
※2門脈:脾臓や消化器からの血液を集めて肝臓に運ぶ静脈のこと。
難治性腹水って何ですか?
利尿薬などの薬物を使用し、水分を外に出しても腹水量が軽減できない、また治療をしてもくりかえしたまってしまう腹水を難治性腹水(なんちせいふくすい)といいます。